(続く)
4 文脈の把握方法
消費行動における「文脈」とは、具体的のようなものである。

1一般的な消費についての考え方
 「今の時代、なるべく無駄は省くべきだ」「消費を楽しむべきだ」などといった消費活動全般に対する考え方
2商品カテゴリーごとの通念、たとえば選択の重視点やルール

 「食べ物はすべからくカロリーと塩分量をチェックすべきだ」「食卓にあるだけで楽しい気分にある商品が大切だ」など

3商品、ブランドの意味を解釈するフレーム(スキーマ)
 「女性が広告しているからこのデジカメは操作が簡単だ」、「暗いシーンの広告だからこの商品は夜にふさわしい

このような消費行動における文脈を把握するためには、以下のような方法がある。
@定量的方法 現在の消費者意思決定に影響を与えている文脈を仮説的に列挙し、その文脈についての賛否を定量的に把握する。
A定性的方法 文脈については人々は無自覚的であることが多い。そのため、その商品や使用場面での意見や感想などを自由発話で把握し、テキストマイニングなどで文脈を把握する


5 広告効果モデルに文脈をどう組み込むか
(クリックすると拡大します)

参考文献
仁科、田中、丸岡(2007.9) 「広告心理」、電通
仁科他(2001)「広告効果論〜情報処理パラダイムからのアプローチ〜」、電通
鈴木宏衛(2004)「広告による消費者知識形成のメカニズム研究 」、 吉田秀雄記念財団助成研究論文
鈴木宏衛(1999) 「消費アジェンダ(文脈)」の発見とブランド・コミュニケーションのアプローチ」日本広告学会「広告科学」第39集
鈴木宏衛(2003)「自然言語解析を用いた広告効果測定とコミュニケーション開発の提案」日本広告学会 第44集
Prashant?Malaviya(2007)” The Moderating Influence of Advertising Context on Ad Repetition Effects: The Role of Amount and Type of Elaboration”JOURNAL OF CONSUMER RESEARCH, Inc. ? Vol. 34 ? June 2007
Drazen?Prelec ,Birger?Wernerfelt ,Florian?Zettelmeyer * (1997)The Role of Inference in Context Effects: Inferring What You Want from What Is Available JOURNAL OF CONSUMER RESEARCH, Inc. ? Vol. 24 ? June 1997
Schiffman, Leon G.et al,(2009)”Consumer behavior”(10th ed.),Pretice Hall


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